「客席の片隅で……」
「拍手喝采はいらない。客席の片隅で、誰かが静かに泣いている。そんな演奏があってもいいんじゃないか。」
「君たち、音楽得意でしょ?」
「音を鳴らすんじゃなくて、音楽しよう。君たち音楽得意でしょ?」
上記二つはどちらも今年参加した夏の講習会にて、小林道夫先生が受講生全員に向けて仰った言葉。演奏のたび、事ある毎に脳裏をよぎる言葉の一つとなりました。思い出すたびに内容を咀嚼して、言葉の持つ出汁のようなものを味わっています。
ちなみに個人的に言われた言葉で強烈な打撃を受けたのはこちらの一言。
「僕たちは何を聞かされているんだろう?」
3月の公開レッスンで、ベートーヴェンのようなフンメルのVaソナタを弾いてしまった直後のことでございました。